『罪』について

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奪われた自己 与えられる 憎悪 冷蔑  全て を 拒絶する 汝 に 『護ル』 力 を -------------------------------- これはシンボルが『防御』に相当する彼の神託である。 確かに彼は『家族』と呼ぶにはあまりにも歪んだ力関係の中で生きることを強いられ、元凶と、自己を憎悪していた。 『自分に力があれば大事な人を失わずに済んだ』、『力があれば忌み嫌っているものから解放される』と信じてきた。 そんな力・・・すなわち攻撃する手段を渇望していた彼に与えられたものは、皮肉にも“向けられていた憎悪が己を守護する”という皮肉めいたものであった。 シンボルの多くはこのように各プレイヤーのトラウマ、もしくは望んでいたものと正反対のものを与えられるようなシステムになっており、それゆえ他者に積極的にシンボルを見せる(=自分の弱点をさらけ出す)ことを自然と抑制しているようだ。 しかしあるクエストからトラウマと自分自身と向き合い、自分にはまだ『護るべきもの』がそばにあることに気が付くことになったようだ。 拒絶しても纏わりつき、凶刃に守られる屈辱を乗り越えられた今は、きっと多くのモノを守る力へと変えることが出来るだろう。
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