捨てられた少年

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今日もまた、地下室の扉が開かれる。 だが、いつもより時間が早い。 ……飯か? 使用人が下りてきたのだろうか? 色々な事を考えたがどれも違った。 「……親父」 約一年ぶりだ。 俺が地下室に閉じ込められた時以来、会っていなかった親父がそこにいた。 「ユノ……すまない。」 親父もかなりヤツレている。 母さんが死んで狂った親父だが、少しはまともな判断も出来るのか? 「私も最善を尽くした。だがもうどうすることも出来ない。お前をここから出す許しを貰った。これもお前の為だ……。」 そう言って親父は地下室を出ていった。 恐らく地下室から出すと言っても、俺は国境付近に捨てられるのだろうけど…… だがユノにとってそんなことはどうでもよかった。 この生活が終わるだけで満足だ。
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