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「使用人に兄と妹の最後の別れなので、少しだけ時間を下さいって言ったの。」
ルーナが笑みを浮かべながらこちらに近付いてくる。
この妹とこれで会わなくて済むと思うと自然と笑みが溢れた。
「気持ち悪い………」
ルーナは魔弾と言われる初級魔法を放ってきた。
拳ほどの水の塊が腹に食い込む。
「ガァッ……」
ユノは腹を押さえて倒れ込む。
使用人がユノの為に残してくれた僅かな水と食料を、ルーナはユノの頭にぶっかけ、ヒールの角で頭を踏みつけた。
「あーぁ……。本当に兄さんって惨め。私のおもちゃとしてまだ可愛がってあげても良かったのに。」
「クソが……」
ルーナがヒールを退けこちらに手を向ける。
「……魔弾…」
頭への衝撃と、その言葉を最後にユノは意識を手放した。
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