孤児だった僕

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物心ついたときには、この孤児院にいた 子供ながらに、自分は『捨てられた』んだと薄々感づいていた でも、おかしい ここにいる大人と呼ばれる大きな身体を持つ人間たちは、それを口出すのを拒んでるようだ それも、狂気的に 「皆は、自分で生まれてきたんだよ」 ……そんなわけあるか 僕は知っている 大人たちが陰で話している『親』の存在 自分が何故ここにいるのか、だとか そんなの知りたくなくてもわかっちゃうよ ……僕のソレはどんな人なんだろう ここでの生活はあまり楽しいものではない むしろ辛い でも表面的には楽しい、というフリをしなければならない そうでなければ、直ぐに突き放される 子供らしさを履き違えている大人たちにとって、僕たちは人形やペットみたいな存在なのに違いない そんなある日、僕の身体に異変が見られる 「~♪~♪」 ドゴォッ 「うぐっ!?」 いきなり腹を殴られる どうやら歌の最中に笑顔が消えていたからだらう 「○○○!!?△△△△△!!!!」 もはや話など入ってこなかった だって理解不能なんだもの 今は殴られた腹より頭が痛い… 頭が……痛い……… それからは意識がない 僕は今何歳なのだろう 青年に近いくらいであろう身体つきになった今でも、その頭痛に悩まされていた 頭痛ののち、意識が持って行かれ倒れるというのは何回もあった しかし、最近はそれが頻繁に起こり、同じような夢ばかり見るようになった 髪の綺麗な同い年くらいの背の女の子 いつもその子の顔が見れない 何故そんな夢を見るのかはわからない しかし、僕はこの夢の世界に近々行く予感がする 何故だかはやはり、わからないが あぁ……また、あの頭痛だ…… でも、いつもとはくらべようもないほど今回は…痛い…… 頭、というか脳が破壊されるような感覚に僕は悶える もしかしたら、持病だったのかもしれない あはは…死んじゃうのか……? ・ ・ ・ ・
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