story.1 その瞳は

8/16
前へ
/81ページ
次へ
***  会社に戻ったのは、夕方。  帰宅に向かう社員達が、玄関ホールを抜けていく。 「――お疲れ」 「ぉぉおっ……お疲れ様です。お先失礼致します」  何を、――驚く?  ちょっと声をかけて、肩に手を置いただけだ。化け物みたいな扱いだな……おい。  最初の頃は、新米社長で社員とも仲睦まじくしていたが  月日を重ね、年月を重ねて、次第に疎かにしていた。 ――だから……。  俺から声をかけられる事が、驚きだったりするのだろう。  今は殆ど、デザインの方に顔を出してるから  企画の方にも出すか……顔。 「ハァ……」  エレベーターに乗り込んで、また溜め息。  ああ……、溜め息が止まらねぇ!!!
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

359人が本棚に入れています
本棚に追加