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エレベーターをおりて、自室である社長室に入って
「ハァ……」
ソファーにグッタリと腰掛けた。重力に押し付けられてソファーに、めり込んでいきそうだ。
――そういえば……
あの啜り泣きは、聞き間違えだったんだろうか。
背もたれから重たい上半身を起こして、垂直にいられず前屈みになる。
「……幽霊……? ……っ」
自分で口にしておいて、身震いする身体。
聞き間違えだろ? そうだ、聞き間違えだ……ああ。
そう言い聞かせて、パソコン画面に向かった。
「……メール」
開いた画面に、メールが届いている。クリックすると、――斗真の会社。
なんだ?
そんな思いもありながら、少し胸が期待を込めた音を鳴らす。
「……っ」
やっぱり。――紗英だ。
斗真の会社からのメールは、いつも紗英なんだ。名前はないけれど、文章の作り方からして紗英だとわかる。
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