story.1 その瞳は

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***  書類の片付けを終えて  顔を上げると、夜の光が室内に差し込んでいた。  今何時だ?  壁にかかる時計に目をやると、20時を指していた。 「……帰るか」  飯は何にしよう。  1度、コンビニで買った弁当を口にして吹き出した。  あんな冷たい固いモノ、――食えるか。  それにしたって、料理は不得意でいつも紗英……って。 ――ハア……。  心でも溜め息を吐く。  紗英の料理……食いてえ。もう、料理を見る事も食う事も出来ない……見れて食えるのは ――斗真、だけだ。  面倒だがレストランに行く事を決めて、迎えの車を呼んでレストランへと向かった。  こんな面倒くさがるような人間じゃなかったんだが……。  やはり思った以上に、ダメージは大きいのだと向かう車内、窓の外に目をやりながら実感していた。
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