359人が本棚に入れています
本棚に追加
――なんだ。これ。
「おはようございます片桐社長」
「おはよう」
斗真の会社に辿り着いて、受付からエレベーターまでの距離。挨拶されるのは当たり前、挨拶するのも当たり前。
だが、違う。挨拶の他に、受けたモノがある。
エレベーターが開いて、乗り込んだ時だった。
「片桐社長、弟の斗真社長に婚約者を奪われたのよね?」
「そうそう、哀れだわ……」
――あ……哀れ……か。
「ハァ……」
エレベーターがしまり、壁に背中を押し付けた。
最初のコメントを投稿しよう!