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そうさ。
――哀れだ、俺は。
良かれと思ってきた事は
年月かけてしてきた事は
全て、――無意味。
全て、――身勝手。
全て、――自己満足。
俺は今まで、何をしてきたのだろうか……と、今回の事で学んだ。
――遅い。
遅いけれど、会社の社員達へ自分の関わる人間達への考え方が、変わった。
――――大切な人
その輝きを失う事で、手に入れた。失うのは簡単だけれども、手に入れる事や戻す事は難しい。
それを、今更知った。
「颯人が遅刻なんて珍しいな」
「ああ、すまない」
社長室に入って、ブラインドの前に立つ斗真がそう言って
笑顔と共に振り向く。
コイツで……斗真で、良かったのかもしれない。
――紗英の相手が。
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