360人が本棚に入れています
本棚に追加
数日後。
「矢崎、コレ頼んどいたろ」
「あ、わりぃ……、けどこっちだって手が空かねんだよ」
作業や、提案書、悠が請け負っていた仕事がのし掛かってきて、自分達の作業と同時進行で代わりがわりやるも
──追いつかない。
「片桐さんも手伝って下さいよ」
矢崎がシャーペンで鼻先と上唇で遊びながら言う。
そんな間さえ勿体ないというように、広瀬が矢崎の後頭部を丸めたノートで叩いた。
「くふっ……ってぇーな」
「遊んでじゃねーよ」
「遊んでねーし」
ふてくされ気味な矢崎を一睨みして、広瀬が俺の方に視線を向ける。
「……──それ、終わったら手伝ってくださいね」
俺のデスクに他の資料の下になって隠れ気味にある、
──海外向けのショーの考案。
それがバレたのか
バレてないのか
なんて、思う間もなく広瀬は自分のデスクに視線を落とした。
最初のコメントを投稿しよう!