story7.幸か不幸か

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数日後。 「矢崎、コレ頼んどいたろ」 「あ、わりぃ……、けどこっちだって手が空かねんだよ」 作業や、提案書、悠が請け負っていた仕事がのし掛かってきて、自分達の作業と同時進行で代わりがわりやるも ──追いつかない。 「片桐さんも手伝って下さいよ」 矢崎がシャーペンで鼻先と上唇で遊びながら言う。 そんな間さえ勿体ないというように、広瀬が矢崎の後頭部を丸めたノートで叩いた。 「くふっ……ってぇーな」 「遊んでじゃねーよ」 「遊んでねーし」 ふてくされ気味な矢崎を一睨みして、広瀬が俺の方に視線を向ける。 「……──それ、終わったら手伝ってくださいね」 俺のデスクに他の資料の下になって隠れ気味にある、 ──海外向けのショーの考案。 それがバレたのか バレてないのか なんて、思う間もなく広瀬は自分のデスクに視線を落とした。
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