story7.幸か不幸か

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俺達はひたすら一から小さいショーをこなしてきた でも俺の過去を知るモデル事務所は起用させてはくれない。 何故なら 斗真が、──紗英を奪われる、と大きな勘違いをしてくれたおかげで。 だけど少しずつ、拒んでいたモデル事務所が戻りつつあるのも確かで、それは今、ここで頑張ってくれている ────仲間がいるから。 斗真の所は ──海外のショーを控えてる。 もしたら、俺にも声が……なんて、ショーまであと1ヶ月しかないというのに。 ショーに使う作品の生地を用意して、作り上げるという作業がどんなに、 ──無意味、であるコトは承知。 「……ハァ」 どうしてこうなったのか。 俺は紗英を奪ったりしないのに。 紗英が決断し選んだのなら、 ──俺は身を引くしかない のだから。
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