story7.幸か不幸か

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「……どういう事ですか?」 頭を上げた社長と視線があって、深い息を鼻から通した後、俺は訊ねた。 「どうして急に謝罪なんて頭なんて下げに、こんな落ちぶれた俺の事務所へ来られたんです?」 「落ちぶれたなんて……。 君の小さなショーは以前と変わらない輝きがあるじゃないか! 落ちぶれてなどいない。 私は、誤解をしていたようだ」 一瞬にして、事務所内の ──機械音が止んだ そのせいで、自分の心臓が爆音を立てている事を自覚しなが 「……誤解……?」 そう復唱した。 「ああ誤解だ。 もう一度君の事務所で、MIZUHOを起用して欲しいと、謝罪を兼ねて来たんだ」 「──!?」 許されないような事をしたのは十分に承知している、だが君の事務所のデザインやコンセプト全てが、 ──私は好きなんだ。 と、そう付け足して。 じゃあ、何故固くなに俺との面会を避けた? 話し合いも無しに契約破棄 一体、なんなんだ?
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