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全てが
自分の思うようにいかなくて
悔しくて、苦しくて、それでも社員達がいて、だからこそ
再出発をしてここまで来れた。
海外向けのショーが頭を過るけれど、俺達にはショーがある。小さなショーだけど、それも立派なショーだ。
考案もデザインも完成はしているけれど、
──作品は出来ていない。
無理がある。
それに、俺1人が決められる事ではないんだ。
そう言い聞かせて
「社長」
スッ、とソファーから立ち上がった俺を
「片桐君……」
社長は
悲しげな瞳で見上げた。きっと、次に出る言葉を理解しているから。
「申し訳ありませんが──」
お応えするのは難しい
そう出る筈だった言葉が
遮断された──……
「?」
パーテンションで
隔離されたスペース
「────片桐さん!!!」
それが開け放たれ
声を発したであろう広瀬を先頭に、社員達が
視界に現れたから
「────!?」
そして視界に映る全てに俺は驚きを隠せなかった。
何故なら─────……
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