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「断るなんて言わないですよね?」
真剣な表情を浮かべる広瀬
その隣に矢崎が笑顔を浮かべて並ぶ
その手には、
見覚えのあるドレス。
ショーの最大の見所として、高級感溢れる中に優美さをプラスさせた俺のデザイン。
「……なん……で……」
そう漏れる俺の言葉に
「なんでって、寝る間も惜しんでデザインして考案書も書いてるのみたら、動かないでいられないじゃないですか」
デザインブックを片手にもう片方には考案書を持った広瀬が、そう言って笑う。
……バレ、てた……。
そんなやり取りを見ていた、MIZUHOのモデル事務所社長も
「片桐君頼むっ!」
再度頭を下げた。
「社長……」
「片桐さんっ」
社員達の訴えに、
「わかりました」
もう、断る意味なんてない。
「ありがとう片桐君っ」
事務所内が
歓びの空気を吹き上げた。
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