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「とうとうこの日が来たか」
与作は心なしか楽しそうだ。
「少し驚かすぐらいじゃダメなのかね」
伊助はまだ迷っているようだ。
「俺はこの日のために山を下ったところにある街まで刀を買いに行ったんだ。驚かすなんてつまらないだろ」
「動物だって必死なんだよ」
「じゃあお前は一生懸命作った作物を食われて悔しくないのか」
「悔しいけど、俺の食う分が全然ないわけじゃないし少し減ったくらいじゃ人間はしなないよ」
「ちっ、どこまでお人好しなんだ」
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