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2人は山の奥へ入って行った。
今は昼間だが、鬱蒼と茂った山の中に光は殆ど入らない。そう考えると伊助は少しばかり怖くなった。
「山の中とはいっても動物なんていやしないじゃないか。これじゃ刀が使えねえ」
「動物だって馬鹿じゃないさ。このまえ村長が仕掛けた罠にも猪とか狸は引っかかったが猿とかは全くだ」
「ふん、見つけだして殺してやる」
伊助は与作を落ち着かせるためにちょっとした嘘をついた。
「あのさ、この山の話を知ってるか」
「知らん」
「この山、実は、大化け猫がでるらしいんだ」
「ならば殺すまでよ」
効果はなかったようだ。
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