Cherry 12

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空翔があたしの隣の椅子に座った。 「美優ちゃん、海翔は口は悪いけど、でも本当はいいヤツなんだ。兄貴の俺が言うのも変だけど。美優ちゃんのこと小さな頃から…」 「やめてよ。そんなこと空から聞きたくないよ。あたしだって小さな頃からずっと…空のこと」 「美優ちゃん…」 「ずっと好きだったんだから。あたしの気持ち無視しないでよ」 「…ごめん。俺は…」 「どんなに空が、美生ちゃんのこと好きでも、もうどうにもならないよ。あたしなら空に…そんな哀しい顔をさせたりしない」 「…美優ちゃん」 あたしの言葉に、空翔が戸惑っている。でもあたしは空翔から目を逸らさなかった。
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