最終章 声

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その文字を見て微笑んだ俺は、ホワイトボードに【ただいま!今日のシチュー、美味しそうやな!こちらこそ、いつも家事ありがとう】と記入してソファに座った。 部屋着に着替えてすぐに2人で食卓を囲む。 言葉は無いが、目を合わせて微笑みあいながら食事を進める。 沙知の作るシチューは実に美味しく、あっという間に食べ終わってしまった。 あの日から、少しだけ考え方も性格も変わったかもしれない。 チャンネルの位置が移動しまくっている時点で、神経質だった性格は既に無くなっているのを自分でも感じていた。 そんなこだわりよりも、一緒に食事をしたり、一緒に寝たり、当たり前の事を沙知とすることがどれだけ幸せなのかを実感している。
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