第一章 王城にて

3/10
前へ
/19ページ
次へ
「これはご丁寧にどうも。俺はヒュウガ=ハチジョウという者です。よろしくお願いします」 俺もできるだけ丁寧な挨拶を返そうと思ったが、如何せん俺は敬語や礼儀作法が苦手である。フーガ様のようにはできず、どことなくぶっきら棒になってしまった。 にしても、やはり王女だったかこの人。最初からそうだとは思っていたけど。 兵士達に指示を飛ばすアリア姫を見て、俺はそう思った。 「さて、ではハチジョウ様。私の父があなたにお会いしたいとのことなので、ご同行頂けますか?」 別に俺はここで「NO」と言う趣味もないし鬼畜でもない、二つ返事で了承した。 「ありがとうございます。それではこちらへどうぞ。ご案内しますわ」 アリア姫が歩き出すと、兵士が二人がかりで馬鹿みたいにデカいこの部屋の扉を開ける。 こんな大きいのいらないだろと思ったが口に出すのは自重した。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加