ガーベラ

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 アカデミーまではそう遠くはない。徒歩で30分ほどである。それは、かつて毎日のようにセリカが通った道だった。この道を歩くだけで、胸に苦いものが湧き上がる。  --仕事なんだから、仕事なのよ。  セリカは心の中で繰り返し呟き、懸命に自分に言い聞かせていた。そうでもしないと、逃げ出してしまいそうだった。
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