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「なぁ、聞いてんの?」
なおも足を蹴ってくるこいつを、軽く睨み付ける。
「覚えてるよ、逢坂さん。 てか、痛いから蹴るのやめてれる?」
「……なんだ、普通に覚えてんじゃん」
こいつにしては珍しく、少し間抜けな顔をして、すぐににやついた。
「へー。 覚えてるくせにタメ口ってね」
「今は同学年だし。 アンタ浪人組だろ」
「ははっ……まぁね」
クールな顔でニコッと笑う。
……うっわ。
出たよ、その顔。
こいつはイケメンっつーより、色男っていう言葉が似合う気がする。
これが中学生のときから続いてるわけだから、今まで一体何人の女がこの笑顔にやられてきたんだ?
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