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なんだかその顔を見ていたくなくて、俺は食べ終わったハンバーガーの包み紙をぐしゃっと丸めると席を立った。
「じゃあ、俺行くんで」
「やけにはえーな」
まるで俺の心情を見透かすような涼しげな瞳。
……やめてくれ。
もういい加減、俺はアンタから解放されたいんだ。
今日は次のコマが休講のため、あとは帰りがてらスニーカーでも見に行くつもりだった。
四限の授業はたまにはサボったって代返でもいけんだろう。
歩き始めた俺の背中に、逢坂の声が追い付いた。
「悠哉」
肩をつかまれてイヤイヤ振り向く。
「なに」
「買い物付き合って欲しいんだけど」
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