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車に乗り込むと、逢坂は慣れた手付きで発進させた。
「さてと……お前、買い物はいつもどこでしてんだ?」
BGMは俺のよく知らないインディーズバンド。
「特に決まってねぇけど」
「ふぅん。 じゃあ、俺任せでいいな?」
そう言いながら、いつの間に買ってきたのか缶コーヒーを手渡してきた。
「え……これ」
「ブラックだけど。 飲める?」
ブ、ブラックは……
「……の、飲め……」
俺の反応を見て、ブッと思い切り吹き出した。
「アホ! 飲めねえくせに無理してんじゃねーよ」
……なっ……!?
「中学んとき、自販機でミルクたっぷりお子ちゃまコーヒー買ってたの覚えてんぞ」
心底楽しそうに、くくっと喉の奥を鳴らした。
……!!
「う、うるせーよ!!」
突然中学時代の話をされ、思わずカッとなった。
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