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「……先輩……何すんですかっ!?」
誰もいない理科室で。
目の前に見えるのは先輩の切れ長の瞳。
力強い二本の腕。
机に押し付けられた背中の痛みより、驚きのほうが勝っていた。
「……俺、帰ります……ッ」
持てる全ての力で先輩をはねのけて、俺はその場を走り去った。
先輩は……アイツは俺を追いかけては来なかった。
……あのとき、逃げ帰らなければ。
俺たちの関係は、今と何か違っていたんだろうか?
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