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季節は夏。
大学構内は冷房がかかっているものの、C棟のゼミから別館の二限授業に移動するのには必然的に蒸し暑い外に出なければならなかった。
セミの声が煩い。
飛行機の音に空を仰ぎ見ると、有り得ないぐらいの直射日光が俺の瞳に降り注いできた。
「あっちぃ……」
教科書類の入った簡易的なカバンで日差しを遮る。
こんな日は……
あの日のことを思い出しそうになる。
もう五年も前の、中学生の頃の消去したい思い出。
夏がくるたびーー
いや、最近は毎日のようにあの出来事をなかったことにできないかと、後悔し続けている。
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