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「なんでって、ここ、もともと俺の指定席だけど。 座ってたら悪い?」
「……」
マジでうざい。
このふてぶてしい態度は、あのときから変わらない。
入学してすぐ、俺が学食のこの席で昼食をとっていたらこいつが目の前に突然立った。
「なぁ、俺のこと覚えてる?」
あのときの衝撃を忘れもしない。
さっきと同じように、不適な笑みを浮かべて俺を見下ろしていた。
「知らない。 アンタ誰?」
精一杯の強がり。
「……んだよ、俺だっつーの。 嘘ついてんなよ」
こいつは俺の前の席にどかっと座りこみ、真っ直ぐに俺を見つめた。
「忘れたんなら思い出させてやるよ。 ーーここ、俺の指定席な」
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