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そんなの……
覚えてるに決まってんだろ。
結局、忘れろってほうが無理なんだ。
逢坂大翔(おうさか だいと)、俺の一つ上の二十歳。
中学生の頃から男前で、泣かせた女は数知れず。
甘いマスクにクールな立ち振舞いが上級生からも下級生からも絶大な人気を誇っていた。
中学三年間サッカー部に所属していて、マネージャーと付き合ったり年上の女子高生と付き合ったりしてたようだが、長くても三ヶ月くらいしかもっていないようだった。
そこをいくと俺は、あの頃はチビだったし、モテることもなく部活にも所属せず平々凡々なつまらない日常を送っていた。
ーーそんな二人の接点はただ一つ。
二人とも遅刻の常習犯で、毎朝のように下駄箱への駆け込みが同じくらいの時間だった。
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