一章 幼なじみ

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ザクヤを食後の湯気の上るコーヒーを一口飲み俺を見る。 「お前。俺達のチームに入るか?」 低音ボイスから平然と発せられた発言。 俺達のチームってさ……。 「俺、ウィン、デアだ。いつもの面子だな」 はっきり言って、学園で最強のチーム。 教師が束になっても勝てないどころか、一国を揺るがすような化け物的戦力だ。 「やっ、断る」 こんだけの最強チームに俺なんかが入るべきじゃない。お荷物も良いところだ。 近距離に剣のザクヤ。 遠距離に魔法のウィン。 臨機応変に対応できる特殊能力のデア。 「………ど、して?」 「足引っ張るじゃん」 ザクヤは残りのコーヒーを飲み干し口を開く。 「安心しろ。俺が守ってやる」 わーお、かっこいいね。最もそれがどれだけ惨めな思いをするか、知らないだろ……。 2人に気付かれないよう歯を噛みしめ、胸が苦しい。
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