四章 旅立ち(パシリ)

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~~カサイ視点~~ 「負け犬」 「ねぎらえよ」 燃えるような赤髪のクセして目覚めと同時に冷たい一言を投げつけた鉄仮面野郎。 「……だい、じょう…ぶ?」 俺の腹を伸びた袖で優しくぽんぽん叩くウィンは泣きそうな顔をして覗き込んでくる。 「大丈夫大丈夫。傷治してくれたんだろ。ありがと」 「……ん」 礼を言って頭優しくなでる。いやぁ、強かったなぁ。重力魔法、特殊能力とか反則。 多分、全身の骨ヒビ入ってたんじゃないか。治す方も治す方だけど。 「無理しちゃ駄目だよ。見てるこっちはヒヤヒヤしたんだからね。止めに入るところだったんだから」 そんなにか。 でもギブアップしたらボテクリまわされそうだったし。どちらにしろボテクリまわされてたな。 「いいやられっぷりだったぞ」 オブラートに包めよ。
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