四章 旅立ち(パシリ)

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バラケさせた方がいいか。 前方にいる騎士に前蹴りを叩き込み、2歩下がった1体の鎧の頭上を振り抜く。 残り5体。 後ろの左わき腹から伝わる痛覚。 一体の手足の長い人形がナイフを持っていた腕を伸ばしていた。これに怯んだ俺に両脇から2体の首なし鎧が剣を振り上げていた。 瞬時に判断して左の首なし鎧の足を身を屈ませながら蹴ってバランスを崩させ、ぶつかり合う首なし鎧。 痛む傷に堪えながら絶好のチャンスを逃さず、2体を操る糸を斬る。 ヤバいな……。 回復魔法の使えない俺は包帯かなんかで傷を防がなきゃならないのに、3体を相手に余裕は生まれるはずがない。 理想だったらbloodで止めたいんだけど、生憎そんな技術持ち合わせていない。 血刀を握り締める力が強くなる。 今はもう誰も助けてくれないんだ。自分自身で切り抜けるしかない。
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