四章 旅立ち(パシリ)

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残りの3体と対峙し、足に力を入れようとした途端、糸が切れて倒れる人形達。 背中から感じた敵意。 首だけ動かして見ると、ソファーに座っていた女性が、装飾のされていない大鎌を斜め上から振り下ろそうとしていた。 強烈に死が近く感じた。 全身の汗腺から冷たい汗が吹き出し、咄嗟に身を伏せた。 脳天に風が振れ、攻撃のチャンスにも関わらず、バックステップで下がっていく。 避けていなかったら……。 首だけの自分が思い浮かぶ。洒落にならない。 「ん?」 女性に異変が起き始めた。 耳元まで避けた口。通常の3倍はある眼球。腕や顔から焦げ茶色の毛が生える。 違和感はこれか。 人間味を感じさせないじゃなくて、そもそも人間じゃないんだ。 知性がある分厄介だな。化け猫め。 おそらく強さはBランクの中位だな。 武器一つの武術を極めるのに修練は必要不可欠。 人形も大したものだけど中途半端だし、大鎌で俺程度を仕留められないようじゃまだまだ。
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