四章 旅立ち(パシリ)

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ようやく館から出られて、霧に包まれた視界へ戻った。少し晴れた気がするな。 館は消えて、岩壁の窪みの中に人間と猫の骨と泥まみれのドレスが落ちていた。 「ゴースト系の魔物か」 ごく稀に死体の魔力が思念となって人を襲う。 分からないことだらけで、学園でも習ったのはこれぐらい。規則性がなく十師団でも研究されている。 そんなことはいいか。それよりも休みたい。 泥の地面を歩いていく内に、霧がどんどん晴れていき、木漏れ日が射す。 先は長そうだが、戦ったばかりで魔力の少ない今戦闘になったら危険だ。 休める時にはしっかり休もう。 どっこいしょー。 地図を開き目的地と今の場所を見ると、4分の1程度しか進んでいない。2ヶ月はかかるかな? 街もあるだろうからノンビリ行こう。 毎日こんな死線くぐってたら死んでしまう。3日で死ぬ自信はあるね俺。
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