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一週間で森を抜け、草原を歩く。
化け猫ほどの戦闘はなく、襲ってくるのはCランクの魔物ばかり。
想定外はあったにしても、ルビアさんは俺の実力も考えてくれたんじゃないだろうか。
傷も癒えて、襲ってくる魔物を斬り伏せる。
薄い緑の草原は心が安らぐ。
あんな腐臭の空気ではなく、澄み切った空気の中で深呼吸をする。
更に草原の脇には青い海が広がって、潮の匂いがする。
こうゆうのいいなあ。
「ん?」
草原の向こう側にあるのは町…街か。
行くか。食糧も危なくなってきたし、戦闘から離れてゆっくり休みたい。
そうと決まれば歩く方向は決まった。
心が浮ついている中、視界が1体の魔物を捉えた。捉えてしまった。捉えたくなかった。
Aランク。フレイム タイガー。
5mはある朱い毛の塊と対峙している軍刀を帯刀する女性がいた。
年齢は俺と同じぐらいかな。
黒の長髪が風になびかれ、フレイム タイガーを前にしても平然としている。
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