一章 幼なじみ

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俺はこいつ程魔法を自由自在に使える奴を知らない。 魔法には五つの基本属性が存在し、大抵が一つの属性に絞り、また更に得意分野を絞る。 それこそ、何十年もかけたり、多くて三つの属性でバランスを保ったりするのだ。 しかし、この合法ロリは五つの属性の簡単な魔法から高度な魔法まで扱う天才少女。 実力ある教師を圧倒する実力に、戦闘経験も豊富だから魔法に関する知識もピカイチ。 容姿は白いモチモチの肌。眠そうな綺麗な水色の目。潤いのある小さな唇。 ウィンは可愛らしい顔をしているし、身長120cmしかないため、ロリコンに目覚めた男女問わずかなり多い。 「ザクヤとデアは?」 残りの幼なじみ2人の名を出す。 「…………いら、い」 ギルドの依頼か。あいつ等大変だよなと他人事のように考える。 「そか」 適当に返事をして周囲の視線を感じるが、いつも通りなので反応はせずに無視する。相手にしていたら霧がない。 それに不幸中の幸いと言うべきだろうか、いつも聞こえる声もマシかも知れない。 「なあ、あいつ」 「ああ。まただよ」 「Cクラスが調子に乗りやがって」 しかし、何度も聞くがやはり慣れないもので、惨めな気持ちが心を蝕んでいく。 聞こえてきた声の方向へウィンが一睨みすれば、そいつ等は焦るようにして顔を背けた。 「………手ぇ……ぎゅっ」 ウィンは鞄を持ってない俺の手を握ってきたから、それをサッとかわす。 この歳で手ぇ繋ぎたくないわ。
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