二章 血

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「彼が私に聞きたいことがあるようでしてね。さ、どうぞ」 「聞きたいこと?俺様が答えてやろう。十師団の内情か?国の予算か?なんでも聞いてみろ」 聞いていいのそれ? 「はは、そんなんじゃありませんよ。十師団の創始者のことを」 ジェドさんは眉をひそめてベッドに座っている俺を見下ろすように顎を上げる。 「なにを今さら。十師団は国が作った軍隊。その中でトップの10人は各国から集めた優れた者だ。学園でも習っただろ」 「違いますよね」 ジェドさんの言葉に間を置かずに、発した一言で明らかに場の空気が変わった。 この空気怖い。 弱みを見せないために怖くて涙目になった顔を下に向かせる。 「十師団の10人は優れた存在であるのは確かです。この国の人も半分にも満たない」
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