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「……彼は人を引き寄せる力があります。カリスマ性が並みではありませんね」
理由なんてないんだな。ただ勘に従っていたんだろう。
「ゼメキスは王の器がある。しかし、今は貴様だ。庶民。知っていることを洗いざらい話して貰おうか」
斧に力が込められる。さっきから首が痛い。血が流れっぱなし。
顔を上げるとジェドさんは鬼の形相をしていた。
震えながらゆっくりと空気をすって、吐いた空気と一緒に言葉を混ぜる。
「言えません」
「なんだとぅ……」
「ヒィッ!」
誰か助けて……。この人怖い。
「い、い、言えません」
「答えろ。手段は選ばんぞ」
その言葉を聞き命乞いのように必死に弁解をしていた。
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