二章 血

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「そ、そうです。十師団に話さなかったのは話すほどでもないということでしょう。それに、ゼメキスのことを知ってるのはこれぐらいなんです」 「………そうか」 ジェドさんが斧を肩に置き、ふぅと息を吐く。 良かったぁ。死ぬかと思ったよ。 「ようは大した危険性もないわけか。ならいい」 ジェドさんは部屋から出ていく。 「すみません。カサイ君」 「いえ。それよりゼメキスの居場所は?」 ルビアさんは首を横に振った。 「十師団を設立してすぐにいなくなりました。軍からも捜索してるですが、当てもなくさがすといのは」 「そうですか……」 俺もゼメキスがどこにいるかなんて見当もつかない。
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