二章 血

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長いテーブルの席についた俺は3人がそれぞれ作ったものを見比べていく。 デアが作ったのはオニオンスープ。 香りがただよい、あっさりしていそうで久しぶりの食事には胃に良さそうだ。 ザクヤは一般的な混ぜご飯。 竹の子にキノコ。ザクヤの腕は普通だが、美味しそうだ。 ウィンは…………。 「うぐっ……」 食わなきゃいけないのか……。 はっきり言ってウィンの作った食事は………美味い。 ビックリするほど、文句のつけようがない味だ。 味は。 問題なのは食材。 更に盛られているのは30cmのバッタに焼き目がついて、柔らかい腹が裂けてるところにウジ虫のような生物が隙間なく蠢いている。 しかもバッタピクピクしてるしさぁ。 食欲失せるんだよ。 本人はなぜか食わねえしよ。 「カサイっ。僕の分食べていいよ」 押しつけんなよお前よぉ……。 とりあえず完食したけど、うん。 バッタの腹にスプーン刺したら奇声を発するわ、口ん中で動いてるし。 美味いから余計に質が悪いんだよ。
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