本編

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 そろそろ雨が降るから家に帰ろう。傭兵を名乗るお兄さんはそう言って丘に寝かせた身体を起き上がらせた。  私はと言えば、丘からの景色を見飽きただとかお腹が減っただとか特に理由を持っていた訳ではなく、単にわざわざ断る理由もなかったので大人しく後に続いた。  遠くから迫りつつある黒い雲は、剛健な鎧をまとった兵団がこちらに侵攻してきているように見えた。  ザッ、ザッ、ザッ、と足踏みを揃えて。  ザッ、ザッ、ザッ。  傭兵のお兄さんの足音が聞こえたので振り向いて追いかけていく事にする。
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