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「口開けろ」
「え?……あーんしてくれるの?て、照れるなぁ。ヨシ、腹をくくろう」
「良いから食えって」
「あーん」
何でちょっと嬉しそうなんだよ。罰ゲームだろ?……美味いのかな、こいつ。サクサクと音をたてながら食べている新名。表情からは美味しいのか否かよく分からない。
「あぁー、うん。意外と美味しいかも。イロイロと得しちゃった気分」
美味い、のか?1つ食べてみるか?でも、なんか勇気が出ないし、もう1人ぐらい食べさせてから……。
「郁未!僕にもあーんして?できれば普通の唐揚げで」
「虫ならやってやるけど」
良いカモだ。こいつも美味いって言ったら俺も食おう。そーしよう。
「じゃあ虫で良いからさ。できれば郁未の使用済みお箸が良……」
「…………」
「そんな目で見ないで!いや、あの、未使用の箸で虫の唐揚げで良いから、あの」
「自分で食えよ」
放置することにする。そこまでして虫カラ食わなくても良いや。
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