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「こ、ここか?」
俺はルームシェアと聞いて2、3人程度でマンションの一室でも借りるもんだと思っていた。だが、地図通りに来てみれば、目の前にはログハウス的な一軒家がドンっとある。
なにこれ?
さて、時は数日前にさかのぼる。
それはいかにも胡散臭いチラシだった。
「学生さん、お金のない方、ルームシェア募集中」
そんなチラシを目にし、両方を見事に満たした俺はチラシの下部にあった電話番号に電話した。少しは怪しむべきだった。
『はーい、凉峰(すずみね)です』
そんなに低くない若い男の声だ。
「あの、ルームシェアの……」
『あぁ!!本当に!?いやぁ、本当に電話くれるなんて!!地図、えーと、今言うから何とかして来てくれる!分かんなかったらまた電話してよ。いつ来るー?』
「え、あ……じゃあ、明後日に」
『ok!ok!!んーとね……
そういうわけで、待ってるね!』
「あ、はい」
『…………どんな可愛い子が』
プツン。
最後に聞こえてしまったのは空耳ということにしておく。何故なら、俺は女に間違われるような声はしていないからだ。
しかし、テンションが高い。不安になってきた。
そんなこんなで、間違いがなければ電話で言われた場所の前に居るのだ。
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