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大人組完全放置して、甘木と2人で俺の部屋に避難。
階段上ってる途中にガシャンとかダンッとか聞こえてきたが無視だ。無視。
「司くんはさ、なんでこんなとこ住もうと思ったの?」
「その質問そのまんま返す」
「んー……僕はお金なくって。短大に行くんだけどね、学費出すから生活費は自分で何とかしろー!って言われちゃて」
「あぁ、俺もほぼ一緒」
「じゃなきゃこんなとこ住まないか」
「うん」
甘木も苦労してるらしい。
……よし、決めた。
男だがこんなふんわりした生物あの変人共からしたら良い餌になってしまう。俺が守ってやらなきゃいけない気がする。いや、守る。
「甘木」
「なぁに?」
「俺、お前のこと守るから」
「へ?あぁ、うん。ありがとう?」
「あいつらに何かされたら言えよ」
「うん。大丈夫だとは思うけど。……どちらかといえば司くんのほうが」
「絶対だぞ」
「う、うん」
なんとも笑顔が愛らしい。このフワフワの生物は俺がなんとかするんだ。
あれだ、ペットや可愛いものを愛でるときと同じような感覚だ。
無垢な子猫が狙われてたら助けるだろう?そんな感じ。
「あっ!」
「どーした?」
「これ」
甘木が急に大きな声を出した。興味津々に手に持っていたのは俺が持ってきていたゲームソフトだった。
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