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「んー……」
俺は悩んでいた。共同リビングでアルバイト募集のチラシを何枚もテーブルに広げながら。
「これは時給良いんだけどな……」
うんうん言いながら悩む俺の所へ涼峰がコーヒーカップ片手に話しかけてきた。
「郁未なに悩んでるんだい?」
「あぁ、バイトどーしようかなって」
「バイトかぁ。まだ決まってなかったんだね」
「目星はなんとなーくつけたけど。ピンっとこないっつか」
「どうせやるなら続くほうが良いからね。郁未はその性格だし、正直接客業とか向いてなさそうだなぁ」
「知ってた」
こいつの言う通り、口下手だし、愛想悪いし、向いてないんだ接客業。でも、我が儘なんて言ってらんないだろうよ。
「……そうだ!此処の近所にあるお店なんだけど、そこの店長さんと僕お知り合いだから、郁未をバイトで雇って貰えないか聞いてあげよっか?」
「……何の店?」
「普通の店」
笑顔で言う涼峰。
ヤベェ、嫌な予感しかしねぇや。
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