アルバイト

2/11
67人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
「んー……」 俺は悩んでいた。共同リビングでアルバイト募集のチラシを何枚もテーブルに広げながら。 「これは時給良いんだけどな……」 うんうん言いながら悩む俺の所へ涼峰がコーヒーカップ片手に話しかけてきた。 「郁未なに悩んでるんだい?」 「あぁ、バイトどーしようかなって」 「バイトかぁ。まだ決まってなかったんだね」 「目星はなんとなーくつけたけど。ピンっとこないっつか」 「どうせやるなら続くほうが良いからね。郁未はその性格だし、正直接客業とか向いてなさそうだなぁ」 「知ってた」 こいつの言う通り、口下手だし、愛想悪いし、向いてないんだ接客業。でも、我が儘なんて言ってらんないだろうよ。 「……そうだ!此処の近所にあるお店なんだけど、そこの店長さんと僕お知り合いだから、郁未をバイトで雇って貰えないか聞いてあげよっか?」 「……何の店?」 「普通の店」 笑顔で言う涼峰。 ヤベェ、嫌な予感しかしねぇや。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!