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インターフォンを押すか押さないかで迷っていた。スゴく迷っていた。だって何かスゴく怪しい。 そのとき、 バンッ 勢いよく扉が開いた。思わず肩がビクッっとなる。 「ナイスタイミング!!遅かったから心配してたんだよ?」 電話越しに聞こえた声と似ている。凉峰、で間違いないのだろう。 思ったより若いな。二十代前半から半ばといったところか? 襟足まである少し長めの黒髪。顔は悪くない。むしろ良い方。ノンフレーム眼鏡のせいか、知的に見える。 服は青いYシャツに黄色のネクタイ、黒のパンツに白衣。 ……白衣!? 普段着で白衣ってアリなのか? 職業が白衣を着る仕事で、俺が来るからその格好で仕事を抜けて来てくれたんだ。 そういうことにしとおこう。 「どうした?さぁ、入って入って!いらっしゃいませ」 物腰の柔らかい好青年。 最初はそう思ったさ。
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