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さて、事務所である。机を挟んで向かい合わせに着席。
「えーと、名前が……」
「郁未司です」
「そーそー司くんだ」
「よろしくお願いします」
「いやぁ、涼峰ちゃんがテンション上がる訳だ。こないださぁ、引っ越してきた子が可愛くてって店来たときに散々自慢しまくってったのよ、あの人。何言ってんだこいつとか思ってたけど可愛い系?ってか俺的には美人系に見えるね!」
よく喋る人だな。あぁー、わかった。近所のおばさんみたいな感じだ。噂話やら世間話やらが好きなあのベラベラよく喋る感じ。
ってか何言ってんだこいつ。
「奇麗なブロンズだね髪の毛地毛?ハーフ?」
「クオーターっす」
「へぇ……触って良い?良い?良いよね!触っちゃえ!!」
髪の毛先をスルスルっと触られたと思ったら、ガッとニット帽を剥ぎ取られた。犬猫を撫でまわすようにワシャワシャと遠慮無しに撫でられた。
え、えぇ……。
触るなとは言わねぇけど……。
「フワフワサラサラじゃん!良いなぁ……。俺、剛毛でさ。本当はそんなに剛毛でもないんだけどね。いやぁ、羨ましいなぁ」
「はぁ……」
「うぇぇぇ、ヤバイ」
いつまでワシャワシャやられるんだろう俺。
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