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「いっけね、本題忘れてた。いや、覚えてたけどね。うん、覚えてたよ」
「……思い出して貰えて何よりです」
「あぁー!今、こいつウゼェーとか思ったでしょ?ねぇ、思ったでしょ?」
「お、思ってますん」
うん、ウゼェーって思った。なんか疲れるテンションだよ。
「ハハハッ!素直でよろしい。んで、いつから来れる?シフト組むから」
「え?はぁ?採用……すか?」
「うん。採用、採用。採用かなぁ?」
「どっちですか」
「採用です」
おぉー、なんか信用できねぇ。
さっきから何となく感じてはいたんだけど、この人の話まどろっこしい。多分、1回言ったことすぐ訂正するからだ。
「……ありがとうございます。頑張ります」
「ローテンションだね!俺ハイテンション!」
「知ってました。ってか俺、此処の店のことよく知らないんすけど、個人経営ですか?」
「そうそう、祖父が始めた店なんだ」
「へぇ……」
「っていうのは嘘でね」
だろうな!だんだん分かってきたよ。ジョークがウゼェ!!めんどくせぇ!!
「友達がいきなり店やるから手伝えって言ったくせに諸事情とか言って逃げやがったんだよ。悔しいから続けてやった」
「どっちが本当ですか?」
「どっちも。あと、店員さんは美人さんと可愛い子ちゃん揃いで近所のオバチャン受けが大変に良い。俺のルックスも含めてな」
訳わかんねぇ!?不審な点が多すぎるっ!店の外見も中も普通だったけど、普通じゃなかった!店員が普通じゃないとは思ってなかっ……いや、涼峰の人脈だぞ。あの変態の知り合いなんだ、先にこっちを疑うべきだったんだ!
俺、やっていけるのかな……。
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