67人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
「あぁ、えーと、そうだ店の名前は?」
基本的なことも知らないよ、俺。何にも知らない。
「スーパー馬鈴薯」
芋だ。じゃがいもだ。スーパーじゃがいもだ。
「なんでそーなったんですか。芋好きなんですか?」
「俺?嫌い。モサモサするじゃん。友人が好きだったんだってさ」
「はぁ……ってか結局、店作ったのは祖父なんですか?友人なんですか?」
「あぁ、祖父の友人」
そうきたか……っ!
友人が逃げてーってのは祖父の話なんだな?お前の話じゃなくって!
もうこの店のことは知らなくても良いや。絶対、偽情報がオンパレードして分からなくなる。既に訳が分からない。
「とりあえず、俺ここでバイトさせて貰えるんですよね?」
「うん。バリバリ働いて貰う。俺のことは"久光さん"って呼んでね?俺のテンションがハイになるから」
「はぁ。……久光さん、よろしくお願いします」
「YES!あ、それでシフトだけど」
とりあえず働けるらしい、が……大変に不安である。いや、仕事を貰える、それに感謝しよう。そうだそうだ。じゃないとやっていける気がしない。
最初のコメントを投稿しよう!