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久光さんはニタニタと変わらない調子に見えるけど、少し表情が曇った気がする。
「うん、だから濁して話ちゃうんだよ。嘘と本当見分けられるようになってよ。そんでさ、俺のこと良く知ってよ。気に入っちゃったんだ。一回りも歳下のクソ餓鬼だけど。なんとなく、昔の俺を見てる気分。スゲー不器用そう」
「よく喋りますね。今の話は本当ですか?」
「……どうかな?」
「俺、ちゃんと言ってもらわなきゃ分かんないっすよ」
「ハハハッ。まぁ、アルバイト頑張ってよ。さて、俺、仕事あるから今日は帰って良いよ」
「はい。よろしくお願いします」
ガバッと頭を下げてそう言った。礼儀だけはしっかりしなきゃいけないな。
顔を上げれば出会った時と同じようにニタニタと笑う久光さんが見えた。
「うん、よろしくね」
真面目に話たら真面目に話たでなんかな……。よく言い表せないけど、久光さんのこと嫌いじゃない。どっか似てんのかな?そーでもないよな……。
まぁ、とりあえず、アルバイトできる!金が稼げる!頑張んないとなっ!
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