夢心地、夢うつつ

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「司チャーンあーそーぼ?」 「嫌だ」 「コレ。昨日発売のゲーム持ってきたんだけどなぁ」 「やる」 バイトも学校もない休日。部屋でゴロゴロしてたら新名が来やがった。仕方がないので、付き合ってやることにする。 決してゲームに釣られたわけではない。釣られたわけじゃないぞ! 「へへーヤッタ!」 「甘木も呼んで良い?」 「ダメー」 「人数多いほうが良いじゃん。あいつもやりたがってたし、コレ」 「オレ、司チャンと2人が良いなぁー。ネ?」 そう言いながら新名が俺に向かって1歩近づいてくる。 「……嫌な予感しかしねぇから甘木呼んで来るわ」 「イヤァァァア!!」 「うるせぇよ」 「たまには良いじゃん。司チャンこーいうゲーム好きかと思って買っておいたのに」 口を尖らせながら少し拗ねたように言う新名。別に新名と2人だから嫌だって訳でもないんだけど、なんとなく、気まずいときがある。あるだろ?そーいうの。 「……まぁ、俺もこのゲームやりたかったし、早くやろーぜ。」 「…………ん?」 「やんねーの?」 「やるっ!!」 スゲー良い笑顔で返された。なんか普段ヒドイことして悪いような気がしてきた。
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