夢心地、夢うつつ

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セッティング完了。 あとはスイッチをいれてー 「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!!ってね」 そう言いながら俺の部屋の扉を思い切り開け放って入ってきた涼峰。なにしにきやがった。 「郁未の部屋に取り付けて置いたカメラに不審者が……あ」 「警察につき出してやる」 部屋に鍵がかけられない結果、プライバシーも何もないこの状態だ。俺の安息の場所は何処。 「モー桐チャン出てってよ。今からオレと司チャンでランデブーなんだからさー」 「終われ新名」 「なんで!?」 新名を軽くあしらう涼峰。クルッとこちらを向いて手を差しのべてきた。 「郁未、僕と遊ぼう」 「オレと遊ぶんだもん!ネ?」 新名、超必死。今日の俺はゲームがしたい気分なんだ。 「うん」 「なっ……うんって言った?」 「言った。俺、今からこいつとゲームすっから出てって?」 ちょっと笑顔で言ってみた。そしたら、涼峰も笑顔で 「仰せのままに」 って言いながらかしづいた。分かったから早く出ていけ。ついでに隠しカメラと盗聴器も外していけ。
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